2011/05/07

「放射線で遺伝子が傷つく理由」を子どもに分かりやすく説明するには その2



前回の 『「放射線で遺伝子が傷つく理由」を子どもに分かりやすく説明するには その1』 の続き

遺伝子(DNA)の詳細をみていきます。遺伝子を拡大して確認すると、下記の図のような構造になっています。


遺伝子(DNA)とは、生物の遺伝情報を持っています。人の細胞のDNAは約30億塩基対ありますが、DNAは遺伝子とは限りません。約30億塩基対のDNAのうち、遺伝子は2パーセントほど。残りは遺伝子ではありません。その遺伝子は、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの塩基配列によって遺伝情報を記録しています。

塩基とは

http://www.ambis.co.jp/kihon/2.html

4種類の塩基のうち、アデニンはチミンとしか結びつきません。グアニンはシトシンとしか結びつきません。

人の細胞が分裂する際、遺伝子(DNA)は2重らせんが解かれ、1本づつのひもに別れます。それぞれのひもには、片方の塩基がくっついています。


1本になっても、各塩基がくっつく塩基は決まっているので同じ遺伝子(DNA)が、それぞれ1本つづ出来あがります。


しかし、遺伝子(DNA)が1本だけにだけになっている時に、放射線が塩基に当たった場合、どうなるでしょうか? 放射線は「高いエネルギーを持って飛んでいる粒子」です。


放射線がグアニンに当たると、グアニンが別のものに変質をしてしまいます。グアニンが別のものに変質をしてしまうと、シトシンと結びつけなくなってしまいます。ということは、正確な遺伝情報、細胞の設計図が引き継げなくなってしまいます。これが遺伝子が傷付くという事で、細胞分裂が盛んな細胞程放射線の影響が大きくなる理由です。


次に、その塩基が、放射線を受けると、どうして変質してしまうのかをみていきます。




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