2011/05/07

「放射線で遺伝子が傷つく理由」を子どもに分かりやすく説明するには その3



の続きです。塩基が、放射線を受けると、どうして変質してしまうのか。


DNAの塩基も分子の一部ですから、幾つかの原子が結合する事で成り立っています。グアニンも幾つかの原子が結合することで、エネルギーが安定した状態でいることが出来ます。


そのグアニンを構成する原子の一つに、「高いエネルギーを持って飛んでいる粒子」である放射線が当たると、高いエネルギーを得て、安定した状態でいることが出来なくなり、原子同士の結合が出来なくなってしまいます。


構成する原子が変わることで、グアニンではなくなります。グアニンでなくなると、シトシンとは結び付けなくなってしまいます。

ここまでが、「放射線で遺伝子が傷つく理由」になります。

しかし、放射線が人体に与える影響は、DNAや細胞膜などの生体分子を直接傷つける場合以外にも、放射線が水分子を分解し,その結果生じた活性酸素が生体分子を傷つける場合があるそうです。その比較をした場合は、後者の影響が大きいとのことです。

その活性酸素の影響についても、テレビ番組の「たかじんのそこまで言って委員会」にて、日本医学放射線学会理事の中村仁信さんの説明を聞いていると、低い被曝線量であれば、むしろ体にいい影響があるとのこと。

たしかに、低い被曝線量を長い間受ける環境での調査結果を含む説明は説得力がありました。



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